Krita3.1リリース!OSX正式対応、FFMPEGによるアニメーションファイル出力、パラメータトゥイーン、クイックブラシ
Kritaの配色テーマを自作する方法
Kritaの公式フォーラムで、配色テーマの自作の話が出ていたので紹介します。
forum.kde.orgKritaのUIの配色テーマは、設定>テーマから変更可能です。明るい系(Light/Bright)から暗い系(Dark)までいろいろ用意されています。
(上のスレッドで紹介されているCharcoalテーマを追加した画面)
配色テーマファイルの実体は、Kritaのshare/color-schemesフォルダにあります。.colorsファイルは中身は配色を指定するテキストファイルです。既存のものを別名でコピーして、中身を書き換えれば新しい自作テーマを作成できます。
中身は色指定がメインですが、GeneralセクションのColorSchemeとNameに配色テーマの名前指定があります。
[General]
ColorScheme=Charcoal
Name=Charcoal
リンクしたフォーラムの投稿にはDarkよりさらに暗いテーマであるCharcoalテーマの設定例が出ています。(Charcoal.colorを作成して投稿から設定をコピーしてテーマを試せます)
KritaのUIはドッキングパネルで柔軟にデザインを変更できますが、さらにUIの色を変更したい人は配色テーマの自作がおすすめです!
Kritaまわりのメモ(2016年12月版)
たまには初心(?)に返ってKritaの紹介&便利なリンクのまとめをしてみます。
Kritaって?
無料ダウンロードが可能なオープンソースのペイントソフト。
ボランティアの開発者に加えて、コミュニティが設立したKrita財団がクラウドファンディングやサポートや機能開発サービスで開発資金を集めてフルタイムの開発者を雇い継続した開発を行っています。(現在メンテナーと開発者1人を財団がサポートしています。…Blender財団と比べるととても規模は小さいです…)
変形ツール、定規、対称描画、手ブレ補正、多数のブレンドモード、レイヤースタイル、HDR対応、アニメーション対応といった豊富な機能と、柔軟で強力なブラシエンジンが売りです。
対応OSはWindows、Linux。次期バージョンの3.1からMacOSXも正式サポート予定です。
Kritaのバージョンはどれがおすすめ?
基本的にその時点での最新版がおすすめです。12/15時点では3.1.1です。
Linuxディストリビューションによってはすごく古い版しかない場合があります。AppImageで新しい版を入手することをおすすめします。
バグ修正は最新バージョンに対して行われるので、基本的には機能が増えている新しいバージョンを使う(それでもバグがあったら報告する)のがおすすめです。
なお、Steamで配布している有料版は、現状では開発資金の寄付用といった感じになっています。
日本語の資料が欲しい
日本語で読める資料で最新の3.0系をカバーしているのは、公式サイト日本語ページ管理人でソフトのローカライズも行っているTokiedianさんのKritaガイドです。無料。
このサイトには私(日本語ページ管理人その2、なおローカライズ自体は不参加)のTipsが散在しています。まとまった形の情報がほしい場合は、1つ前のバージョンについてですが私が翻訳した「Krita 2.9 完全マスター」(Kindle及び書籍)を手前味噌ながらおすすめします。機能を網羅していて、かつ、原著者のスコットさんによるわかりやすい図解が多くあります。
英語圏のおすすめ情報源
Kritaの開発ボランティアはヨーロッパ圏が多く、英語の方が資料が豊富です。
Krita Documentation - 新機能も網羅されている公式ドキュメント(英語)
David Revoyさんのサイト - ブラシキットやチュートリアルなど(注:このブログでも時々翻訳して紹介しています)
KritaのフローマップをUnrealEngineで使ってみる話
たまには気分を変えてアウェイのUE4 Advent Calendarに参加してみようかな、と心の片隅で思っていたら完全に乗り遅れました…とはいえ何かの参考になればいいのでネタの供養。
KritaのフローマップをUnrealEngineで使ってみる話。
(12/6追記:Kritaって何?という人はこちらのメモをどうそ…)
Kritaにはフローマップを描くためのブラシ(tangent_normal_drawing_angle)があります。ブラシ移動方向がフローマップの色に変換されます。
GDQuestさんのチュートリアルはこちら(英語):
さっそく適当なフローマップを描いてみます。背景をR128,G128,B0で塗りつぶしてから、tangent_normal_drawing_angleでぐるっと描画。
適当なフローマップの出来上がり。
これをUnrealEngineにインポート。sRGBオプションはオフで。
そして歪みをテストするマテリアルを作成。(参考:UnrealEngine公式BlogPhotoshopでフローマップの生成)
動いていた方が楽しいのでSine関数で時間経過で歪ませています。
ConstantBiasScaleはBiasが-0.5、Scaleは強さを1以下でお好みで。こんな感じに歪ませることができます。
Kritaのラップアラウンドモード(Wキー、画像をタイル状に表示)でもこのフローマップブラシは使えるので、こうした連続するマップも描けます。ぐるぐる。
綺麗な結果にするにはもうちょっと調整など必要そうですが、簡単にフローマップの手書きで遊べますよ、ということで。
12/6追記:
ブラシを動かした方向とテクスチャの歪み方向を一致させるにはプリセットの接線のエンコードを変更する必要があるようです。
Kritaの手ブレ補正・スムージングの設定例チュートリアルの紹介
TumblrのWishdreamさんがKritaの手ブレ補正・スムージング設定例のチュートリアルを公開しています。
Kritaの手ブレ補正のオプションは、ブラシツール使用中にツールのオプションで選ぶことができます。
距離パラメータが強度です。(小ネタ:スライダーをクリックしてから数値入力することも可能)
PS風(ほぼ補正なし):簡易手ブレ補正
Lazy Nezumi風(中央の円から尾を引くような挙動):安定化手ブレ補正で遅延オプションオフ。(遅延で中央の円の大きさを指定)
Clip Paint Studio、メディバン、ファイアアルパカ風:安定化手ブレ補正or重み付き手ブレ補正でその他オプションをオフ
Sai風:重み付き手ブレ補正で表示倍率に合わせるをオンor安定化手ブレ補正で遅延以外のオプションオン
…とのこと。もちろんどの設定が好みかは主観的なものなのでいろいろな設定を試してみるのがおすすめです。
Krita3.1ベータ4&質感系ブラシパック紹介
Krita3.1のベータ4が出ています。Windowsでのスタビライザ(安定化)のパフォーマンス、画像保存の安定化などがトピックのようです。公式のアナウンスはこちら:
あと、raghukamathさんによるブラシパックが公開されています。
かすれたような質感のブラシなど味のあるプリセットを30個収録。展開してリソースフォルダにコピーしてインストールするzip版と、リソースマネージャでインポートできるバンドル版の両方が用意されています。
ライセンスはcc0。
ペッパー&キャロットのアニメーション製作アップデートとコスプレ写真!
Pepper & Carrot Production Report #1 https://t.co/VzhXuRSj3x pic.twitter.com/TOstDJW9aI
— Konstantin Dmitriev (@k_dmitriev) 2016年11月17日
Konstantin DmitrievさんがIndieGoGoで資金調達をして製作中のペッパー&キャロットの製作アップデートが公開されています!もともとのKritaのファイルをレイヤーに分解してBlenderで再構成してアニメーションを作成しています。
New blog post: Cosplay of Pepper&Carrot by Maria Vyazova and Ekaterina Zubareva : https://t.co/JzvusdaehW #peppercarrot pic.twitter.com/k6LGomaz1c
— David REVOY (@davidrevoy) 2016年11月18日
そして初のコスプレ写真も!森での撮影で本格的!