Krita2.9.7リリース!手描き法線マップブラシ追加!
Kritaの最新バージョン2.9.7がリリースされました!(9/5現在Windowsの最新ビルドは2.9.7.5)
日本語でのリリース内容詳細はKrita公式サイトの方を参照してください。2.9.7の後は、Krita3.0系でQt5への移行作業と新機能開発が行われるようになるようです。
今回の2.9.7での目玉機能は、手書き法線マップ作成のブラシ追加です。今年のGoogle Summer of Codeで開発されていた機能です。
タブレットペンの傾きを、法線マップの方向に変換して描画ができます。また、描画方向を法線マップに変換して描画するモードもあり、テクスチャの歪みやフローマップ作成にも使用できるとのことです。
英語の機能マニュアルは既に公開されている(Krita/Manual/BrushEngines/TangentNormalBrush - KDE UserBase Wiki)ので、ざっくりと日本語でも手書き法線マップ作成のワークフローを説明します。
- 傾き(tilt)センサつきのタブレットを用意します。
- Kritaの設定で、カーソルアウトライン形状設定をTilt Outlineにします。傾きの情報をカーソルで確認できます。
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レイヤーの設定をします。一番下はR=128、G=128、B=255で塗りつぶしたベースレイヤー。その上に描きこんでいくペイントレイヤー(まだ空)を追加。その上にフィルタレイヤーを2つ追加します。フィルタの1つ目は法線マップの正規化を行うNormalizeフィルタです。2つ目(オプション、なくてもいい)は法線マップの結果を可視化するフォンシェーディングバンプマップフィルタです。
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フォンシェーディングバンプマップフィルタでは、入力がNormal map(法線マップ)であるというチェックをオンにして、光源を調整します。このフィルタレイヤーがオンになっている時は、法線マップに照明を当てた結果をプレビューできます。
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ブラシプリセットで"tangent"と入力すると法線マップ描画に対応したブラシが表示されます。
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ブラシエディタでは法線マップ描画用のブラシエンジンの設定を変更できます。Elevation Sensitivityが傾きの強さ…のようなものだと思います。
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後はタブレットペンの傾きを見ながらお絵かき?Kritaのビュー回転を使った方が描きやすい気がしました。なおテクスチャ作成に大活躍のシームレス表示のラップアラウンドモード(Wキー)にも、シンメトリモードでも描画できるようです。
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Blenderに持っていったらこんな感じでした。
…うまい使いこなし方などはそのうち情報がでてくるのではないかと思いますが、ひとまず基本の説明でした。