Krita3.0.2開発版:Quick brushとStroke Selection
Krita3.0.2開発版から開発中の新機能をざっくり紹介。今回はQuick brushとStroke Selectionの2つ。
なお、開発中の新機能は公式ドキュメントのUnstable Featuresのところに説明ページがあります。(英語)
Category:Unstable Features - Krita Documentation
Quick brush
大きいブラシでざっと塗りつぶす、という絵を描く上でよくある操作のために最適化した新しいブラシエンジン。機能が単純な代わりに、すべてのブラシエンジンの中で一番のパフォーマンスを提供。
まだプリセットは提供されていないものの、ブラシエディタで新しくQuick Brushエンジンを使用するプリセットを作成することで使用可能。
Stroke Selection
選択領域の境界部分を指定した幅、もしくは選択中のブラシでで縁取りする機能。
選択領域を指定してから、編集>描線選択からアクセス可能。
均一な線での縁取り
縁取り&塗りつぶし
選択したブラシでの縁取り
「不透明部分を選択」と併用すれば、キャラクタの縁取りも簡単に!
Krita3.0.2開発版ビルドリリース
Krita3.0.1の修正版と、Krita3.0.2のベータ版が公開されました!
まだベータの方は不安定なようですが、G'micのcolorize[interactive]での塗り分けのようなことができる塗り分けマスク、アニメーション動画ファイル出力(ffmepgを別途ダウンロードして設定)、レイヤパラメータのアニメーションなど新機能が多く入ってきています。
情報が揃ってきて動作が確認できたら新機能を紹介していきたいと思います。
Krita3.0.1リリース!
krita.org機能追加とバグ修正を両方含む新しいリリース3.0.1が公開されました!
ポップアップパレットからブラシ設定が調整可能になったり、ソフトプルーフの追加、対称描画ツールでのロック、リセット、対称軸表示オンオフ機能追加、二値化フィルタが追加されたりなどしています。
Nathan Lovatoさんによる機能追加の多くを紹介する動画はこちら:
- 0:15 ポップアップパレットからのブラシ設定変更が可能に
- 1:04 ピクセルブラシエンジン、色ぼかしエンジンへのパラメータ追加(比率…ブラシ先端の縦横比率、ファジー描線…ストローク単位でのランダム化)
- 3:03 Thresholdフィルタ(二値化、しきい値)の追加
- 3:34 ウェーブレット分解…周波数成分で画像を複数レイヤーに分解、細かいノイズの除去に便利
- 4:50 移動ツールの改良…座標表示が可能に(ツールオプションから表示をオンにできる)、変形ツールの改良(Shiftキーでのコンストレイン、反転、回転ボタンの追加)
- 5:57 レイヤーメニューの整理
- 6:37 ソフトプルーフ(Ctrl+Yで色のプレビューオンオフ切り替え、設定は画像>プロパティのソフトプルーフタブ)
- 7:43 グループレイヤーをアニメーションレイヤーに変換する機能の追加
- 8:28 その他の改良。マウス位置へのズーム(設定のキャンバス入力設定でズームモードを切り替え)、テーマの追加、筆圧オンオフ切り替えボタンの追加(ツールバー設定から追加可能)、入力ボックスでの計算が可能に…移動時などにも便利
Kritaのリリースサイクルは6週間になったので、次のリリースは10月半ば予定です。そろそろGIFアニメーション出力機能も入ってくる…といいなあと思っています。
David Revoyさんブラシセット最新版&コミック製作チュートリアル!
David Revoyさんのブラシセットがバージョン8.1になり、新しいブラシ13種類も追加されました!(バージョン8の時のブラシ紹介の日本語版はこちら)
また、新しいブラシも使用して、ペッパー&キャロットのコミック製作過程を説明する1時間46分の大作チュートリアルも公開されました!
ストーリー案からのストーリーボードの作成から、白黒ペイント、線画、文字入れ、カラーとKritaとInkscapeを使った工程をすべて実演しています!(なお、このチュートリアルのビデオ編集はBlenderのビデオシーケンスエディタで行ったとのことです。ここもオープンソース!)
0:00:06 はじめに
0:01:00 Chapter 1: Kritaのインタフェース
0:01:53 Chapter 2: プリプロダクション
0:13:51 Chapter 3: ドローイング (白黒スピードペイント)
0:34:37 Chapter 4: ペン入れ
1:00:03 Chapter 5: Inkscapeでの文字追加
1:17:06 Chapter 6: カラースケッチ
1:27:34 Chapter 7: 線への色追加
1:32:59 Chapter 8: 詳細描き込み
1:36:51 Chapter 9: ポストプロダクション
1:44:32 エピローグ
製作に実際にかかった時間の内訳は…
- 1時間半 荒いストーリーボード
- 1時間半 詳細なスピードペイント(白黒ストーリーボード)
- 3時間 ペン入れ
- 1時間半 クリンアップ+文字入れ
- 2時間 カラースケッチ
- 5時間 詳細とポストエフェクト
合計: 1ページあたり14時間30分
Davidさんのブラシやチュートリアルは、ペッパー&キャロット本編同様、Patreonを介した支援によって支えられています。
こうしたリソースを気に入ったら、PatreonでDavidさんへの支援をしてみましょう!
ペッパー&キャロットアニメーション化プロジェクト!オープンソースでアニメーション!
Kritaの公式サイトでも取り上げられていますが、ペッパー&キャロットのアニメーション化プロジェクトのクラウドファンディングが開始しています!
これまでもペッパーのBlenderリグなどを公開しているNikolai Mamashevさん(morevnaprojectのアーティスト)によるプロジェクトで、Kritaでウェブコミックの静止画をパーツに分割し、Blenderでアニメーションを行う(カットアウトアニメーションアドオンのCOA Toolsなども使用)という計画です。オープンソースツールによるアニメーション製作になります!
テストショットはこちら。楽しみです!
Krita3.0.1ベータビルド公開中&Krita開発チームはスプリント中
Krita3.0.1のベータビルドが公開されています。新機能追加はなし、バグ修正メインです。3.0.1の正式版は9月5日予定です。なお日本語を含むローカライズのデータがこのビルドではうまく読み込まれていないようですが、開発には連絡済みです。
Kritaの開発チームは現在オランダのデーフェンテル(メンテナのBoudが住んでいる街)に集まって開発スプリントをしています。ロシア(メインプログラマのDmitry)、アメリカ(ウェブサイトとUI担当のScott)など各国から、普段はIRCやMLで連絡をとっているメンバーがテーブルを囲んでこれからのKritaの開発計画を含めて話し合い、開発を行っています。成果が楽しみです!