Krita筆圧回りの話
Kritaはタブレットの筆圧があったほうがずっと楽しいと思うので、ざっくりと筆圧回りの話を書いてみます。
OSXの人向けの注意
OSXは公式サポートのない実験的ビルドという扱いですが、筆圧回りでも既知の問題があります。
2.9系ではOpenGLをオンにしているとポップアップパレット(右クリックで表示されるショートカットパレット)が出ないという不具合があります。OpenGLをオフにするとポップアップパレットは表示されるのですが筆圧が効かなくなるケースがあります。
というわけで、現状は以下の2択です:
・OpenGLをオンにしてポップアップパレットは諦めて筆圧を使う
もしくは
・OpenGLをオフにして、かつ筆圧を使いたい場合は、回避策を試してみる→「設定で一時的にOpenGLをオンにして、それからキャンバスを一度右クリックしてから、設定でOpenGLをオフにする」
なお、先日公開された3.0プリアルファだとOpenGLがオフでも筆圧は効いているようでした。OSX向け環境改善に取り組んでいるボランティアの開発者の方がいるので応援しましょう。
Kritaの筆圧サポート
KritaはQt経由でタブレットをサポートしています。
SurfaceなどのN-Trig系のデバイスの場合はWintabドライバを入れないと動きません。(Surface系だと多少ややこしいケースがあるようです。)
特にKrita内で特別な処理を行っているわけではないので、筆圧が効かなくなった!といったトラブルがあった時はとりあえず以下を試してみてください。
・タブレットドライバサービスを再起動
・Kritaの設定ファイルをリセットしてみる(Kritaを再インストールしても設定ファイルは変わらないので、問題の解決にならないことが多いです。リセット方法は公式FAQ参照)
・タブレットドライバを入れ直す
あとデュアルスクリーンでタブレット入力位置がずれる場合は公式のFAQを参考にしてください。
https://jp.krita.org/about/faq/#tabletoffset
入力ずれが起きる別のケースとしてはWindowsの画面のスケーリングを使っている場合があるようです。このケースは3.0系ではサポートが改善しているはずです。
Krita全体の筆圧カーブ設定
設定>Kritaを設定のタブレットの設定で、Krita内で共通して使われる筆圧カーブを設定できます。
横軸が、筆圧の強さ、縦軸が出力値に対応しています。
例えばDavid Revoyさんの筆圧設定チュートリアル(Calibrating stylus pressure - David Revoy)では、4つのカーブ設定例が紹介されています。
左側から、力をかけなくても100%の出力値を出せるようにする設定、低筆圧でノイズが入ってしまう場合に情報を切り捨てる設定、描き味を柔らかくする設定と、硬くする設定カーブの例になります。
ブラシプリセットの筆圧設定
各ブラシがどのように筆圧に対応するかは、ブラシ設定で決められています。
例えば、Basic_tip_defaultは不透明度、サイズ、強度がペンの設定を使っています。筆圧でブラシサイズだけではなく、色の不透明度、強度(テクスチャをブラシに設定した場合のテクスチャの濃さのようなもの)が変わります。
ペン入れで使うink_gpen_25(Gペン)プリセットだと不透明度は筆圧の影響を受けず、サイズ、柔らかさが筆圧の影響を受けます。色は常に不透明度100%で、サイズとシャープさが筆圧の影響を受けます。
どういったパラメータに筆圧に対応してほしいか、筆圧を使う時のカーブ(描き味に直結します)といった内容は、すべて自分で変更することが可能です。気に入ってるプリセットを参考にカスタマイズすれば、もっと自分にあったブラシを作成できるはずです。
プリセットを上書きする場合は、右下のボタンで今のプリセットのアイコンをサムネイル表示させてから(これをしないとプリセットのアイコンが消えた状態で保存される)、「プリセットを上書き」で、変更した設定を保存できます。
もしくは、新しい名前をプリセットにつけて、右側の領域に新しいプリセットアイコンを描いて、新しくプリセットを保存することもできます。
おまけ:
Kritaにはブラシの先端形状も大量に用意されています。先端を変えるだけでいろいろな効果が得られるのでこちらを試してみるのもおすすめです。