Kritaでぐるぐるお絵かきブログ

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世界初(?)のKrita解説本「Kritaでデジタルペイントマスター」クイックレビュー

Krita解説本「Kritaでデジタルペイントマスター」が家に届いたので、ざっくりとレビューします。

まだしっかり読み込んではいないですが、一言でいえば、「Kritaの機能説明一通りと、塗りメインで実際の使い方のわかりやすい説明。2.9の人にも十分役立ちますよ!」という印象です。

以下、現時点での雑感です。

Kritaの機能説明部分について:

  • Krita2.8ベース。ただし随所に「Krita2.9では…」というKrita2.9の情報を補足した記述あり。ツールパネルのアイコンデザインが2.9で変わったことなども書いてあります。
  • ツールパネルの各機能、ドッキングパネル各機能、設定変更、ショートカット変更方法などのインタフェースの基本機能をしっかり押さえています。ブラシのカスタマイズ、フィルタ、ブレンドモードなども紹介されています。

メイキングは、アニメ風、水彩、厚塗りのスタイルをそれぞれ、どの部分でどのブラシプリセットを使ったかも含めて製作手順を紹介しています。塗りがわからない!となっている人には大きなヒントになりそうです。

  • スキャンした線画の処理方法
  • 選択&塗りつぶしを使ったベースレイヤーの作成
  • グループレイヤーとアルファ継承(クリッピングマスク)を使ったレイヤー構成
  • グラデーション
  • レイヤーモード(積算/乗算、スクリーン、etc)
  • テクスチャの使用
  • フィルタ…などなど

ちょっと気になったところはこんなところです。

  • Kritaで1から線画を描く話(ink_gpenやpencil系の線画向けプリセットとスムージング補正の話)はカバーされていません。あとKrita独特のスケッチブラシの楽しい落書きといった話もありません。
  • 2.9だと起動直後には新規キャンバス画面がでないのでそこのフォローがあるとよかったかも。自分で新規作成するか、ファイルを開いて、編集開始。(ファイルがない状態で「グレーのままで描けない!」となった人もいるのかも、と思うのです…)
  • Eキーで使っているブラシを消去モードに切り替えて消す方法ではなく、アイコンをクリックして切り替える方法をメインに紹介してる…上の消しゴムも含めて、ショートカット系の説明が少ないかも。個人的にはEキーでその場で消して修正するのと、Ctrlでの色ピックと、Shift押しながらタッチしてのブラシサイズ変更、Mキーでの鏡像反転をよく使ってサクサク作業してます。

と、ちょっと気になった部分もありましたが、Kritaの楽しさと能力をできる限り伝えたい!という気持ちが伝わってくるいい本です。機能説明と実践例の両方がまとまっているので、Krita自体の入門にも、Kritaで新しい塗り方を試してみたい人にも向いているのではないかと思いました。おすすめです。